ピ蔵望
<白文>
夢破ピ蔵在
宝石国新刊特装版
感者燐葉石濺涙
待望二期動画鳥驚心
新刊発売七月
現在値段二倍密林
定価入手欲
<書き下し文>
夢破れてピ蔵在り
宝石の国新刊にして特装版なり
フォスフォフィライトのことを思うと月を見ても涙が落ち、
アニメ2期を待望しては鳥の鳴き声を聞いても心が痛む。
新刊発売は7月であり、
発売日に買おうと思ったらもう売り切れていた。
いまやアマゾンでは二倍以上の値段であって、
定価で手に入れたいと欲す。
<現代語訳>
(宝石の国最新刊には世界設定の小冊子がついているから手に入れたいと願う)夢が破れてもピ蔵はのうのうと生きており、
(手元にはなくとも)宝石の国新刊は(誰かの手に行き渡っているのは確実で、需要と供給があまりにも不均衡であることを不条理だ、いつだって私はあぶれる側の人間で、そんなんだからいつまでたってもNintendo Switchの抽選に外れるんだ、そのうちに腹いせとして代わりに遊んでいるアプリ版のどうぶつの森の方はLv.200に到達してしまうぞ、かれこれ数年はみっちり遊び続けているヘビーユーザーになってしまったところで)特装版が発売されている。
月を見ると、主人公のフォスフォフィライトのことを思いだし、(いまやどんな姿になってしまったのだろうか、フォスである部分はどれほど残っているのだろうか、初めの頃のあの天真爛漫なフォスはもう戻ってこないだろうが、黒沢さんの元気な声も落ち着いた声も私は大好きなので、ひとまずデレマスで『Romantic Now』をプレイするか、と決意すると)涙が出るのであった。
アニメ二期制作決定はまだかまだかと切に願っては、(早くオレンジの作る美麗で微細な映像の中で動くキャラクターたちが見たい、ラピスラズリとフォスとの掛け合いを動画で見たい、ラピスラズリの頭をつけてからポニーテールになったりショートカットになったりちょっと頭が良くなったりするフォスが見たい、シンシャとの約束との約束の行く末が気になる、というか正直なところ原作は追ってないからストーリーがどこまで進んでいるのか全く分からないぞ、そのくせ11巻だけ買おうというのは虫が良すぎるのではないかと思うと)鳥の鳴き声を聞いても心が痛む。
新刊が発売されたのは七月二十日であったので、
発売日にサイトを見てみたら、すでに売り切れているではないか。(なんということだ、戦いはもう始まっていたのに、その日付近私は一体何をしていたのだろうかと思って記憶を辿ると、期末課題に忙殺されていたことを思い出した。)
アマゾンで買おうにも中古で定価の二倍以上の4000円ほどになっており、(転売がなくならない限り戦争もなくならないってネコチヤン・ハモフモフデスキーも言っていたなと思い、)
(転売から買うような真似はしたくないし、見えざる手の内で転がされている間はまだ私に新刊がやってくる機会もあるだろうと期待して、重版され再び市場に出回るようになるのを待つしかなく、)定価で買えるのを待とうと思う。